2011年4月15日

被災地に入る医療従事者・ボランティアなどが知っておきたいほこり(粉じん)に関する7つのポイント

1.被災地ではがれき等からほこり(粉じん)が発生しています。特に重機(ブルドーザー、ショベルカーなど)を使ったがれきの撤去・片付けなどの作業が周辺で行われる場合には、空気中のほこり(粉じん)の濃度が高まります。ほこり(粉じん)を吸い込むことによって、喉の痛みや咳などの呼吸器症状を生じ、大量に吸い込む(特に径が5μm以下の微粒子)とじん肺などの慢性の肺機能の低下などをおこします。

2.ほこり(粉じん)にどのようなものが含まれているかはその場所によって異なります。ほこりには、ケイ酸などを含む鉱物性粉じんや、木の木片などの有機性粉じん、カビなど様々なものがあります。また災害後には、建材などに含まれているアスベストが大気中にでることも課題となります。どのようなものがどの程度飛散しているかを正確に把握するためには、測定が必要です。

3.訪問診療などで地域を訪問する際には、重機による(ブルドーザー、ショベルカーなど)の作業が行われている場の近くに行く可能性があるため、防じんマスクDS2N95マスク)を携帯します。

4.重機による作業が行われている場を歩行や車で通過する際には、なるべく距離をとり、短時間とし、吸い込まないように防じんマスクDS2N95マスク)を装着します。

5.次のような場では防じんマスクDS2N95マスク)の装着は必要ないでしょう。
1)周囲で重機作業が行われていない場所
2)屋内で外部からの粉じんが入ってこない場所
ただし、感染対策は別途考慮してください。また、咳をしている患者さんに防じんマスクDS2N95マスク)を使うような誤解がないように注意してください。

6.マスクは正しく装着しないと顔とマスクの間にすきまが出来ほこりが入ります。装着時にマスクを手で覆い、あご、ほほ、鼻にしっかりフィットするようにします。防じんマスクDS2N95マスク)はマスク全体に手をあてて、息を吸ったり吐いたりして空気がもれないことを確かめます(フィットテスト)。

7.アスベストは、重機などの破砕によりスレート建材や吹き付けられたロックウールなどから大気中に出る可能性があります。大気中では拡散するため重機を用いた作業に従事しなければ高濃度のアスベストのばく露はないと考えられます。診療や重機の近くに行かないボランティアの方々はアスベストを過度に恐れる必要はありませんが、前述のような粉じん対策は必要です。行政や解体に関わる業者はアスベストの有無について調査を行い、調査結果を公開して過度な不安が発生しないようにする対応が求められます。

担当:フィットテスト研究会、特定非営利活動法人東京労働安全衛生センター

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