2011年3月14日

寒さのなかで作業する人が自分を守るために知っておきたい10のポイント

1) 食事をきちんと摂ります
作業には多くのエネルギーが必要となるため、脂肪の多い食事でカロリーを確保します。血糖値を確保するために充分な炭水化物も摂取します。

2)
水分を十分に摂ります
トイレに行きたくないという思いから水分を制限したくなりますが、寒冷環境では、喉の渇きが抑制されるため、頻繁に温かい水分を摂り、脱水を予防します。ただし、アルコールやカフェイン、ニコチンは、血管拡張を誘発し、利尿が促進されるため望ましくないです。

3)
衣服は重ね着をして保温に努めます
体温を逃がさないということが保温にとって基本です。保温性の高い下着などを活用します。汗をかいたり、水で衣服が濡れたりしたときは、体温が奪われるため、乾いている衣服に着替えます。暑いと感じたときは、上着で調整します。子供や高齢者は体温を失いやすいので、成人以上に保温に努めます。

4)
手、足や目などの保護します
指先やつま先は冷えやすいため、手袋、靴下を着用します。紫外線とグレアから目を保護するためにサングラスなどを着用します。ただし、金属製のメガネ、腕時計は皮膚温を低下させやすいため、着用を避けます。

5)
こまめに休憩を取ります
 屋外での作業時間の目安は、気温が-10
~-25なら50分程度とし、温かい部屋で少なくとも30分の休憩時間を確保します。これは、寒冷環境の作業に習熟し、適応した健康な成人男子が、ほぼ無風の状態で作業する際の基準です。風がある状態では、予想以上に体温が低下します。0℃以下でもこまめに休憩をとります。
循環器系に病気がある人や高齢者の場合は衣服の防寒対策をさらに行い、作業時間を短くするといった配慮が必要です。

6)
凍傷を予防します
冷えによる手指などの痛みやしびれは、作業が非効率になるだけでなく、凍傷に至る危険信号です。感覚が麻痺していることもあるので、ゆっくり暖めます。

7)
複数人で行動します
複数人で行動し、互いの安全を確認します。

8)
移動する際には安全を確保します
雪のある場所を歩いて移動するのは怪我の危険性がある上、体温を奪われやすいので、避けます。歩いてある程度の距離を移動する際には、目的地や到着予定時間を誰かに伝えます。予定時間を過ぎても到着していない場合は、警察などに通報します。

9)
屋内の一酸化炭素中毒を防止します
石油ストーブは換気ができる状態で使用する。また、屋内で発電機、グリルなどを絶対に使用しません。換気を行いつつも、ドアや窓の不要な開閉を避け、室内の熱を逃がさないようにします。隙間があればタオルなどでふさぎます。

10)
屋内火災を予防します
破損した電気コードは使用しません。延長コードも極力使用しません。暖房機器の近くに子供を一人にしません。
参考資料
ILO
産業安全保健エンサイクロペディア(第4版)
日本産業衛生学会 許容濃度の基準(2010年)
労働安全ハンドブック(第2版)
担当:奈良井理恵(産業医大衛生学)、和田耕治

0 件のコメント:

コメントを投稿