2011年3月19日

復旧作業に従事する人や管理者が知っておきたいほこり(粉じん)・アスベストに関する7つのポイント

1.復旧作業(インフラなどを従前の機能に回復させるまで)にあたって個人や作業者の健康を守ることが必須です。
2.復旧現場では、ほこり(粉じん)、アスベスト、カビなどが呼吸器(肺や気管など)へ影響を与える可能性があります。そのため粉じん・アスベストに関する基本的知識を個人は学び、組織は必要な情報と呼吸用保護具等の提供を行います。また、必要な対策が継続して行われているかを確認します。
3.復旧の現場における、ほこり(粉じん)にはどのようなものが含まれているかわかりません。アスベストやその他の有害物質を含んでいる可能性がありますので、できる限りほこり(粉じん)を吸い込まないようにします。
4.復旧における作業では防じんマスクDS2以上(N95マスク以上)を推奨します。ただし、説明書などにもとづいた正しい装着(フィットテスト、フィットチェックなど)を行わないと効果が得られません。
5.復旧作業にあたる組織は、防じんマスクDS2以上(N95マスク以上)を確保できるように努力します。また入手が困難な場合は、各自治体などにおいて地震や感染症対策としての備蓄からの放出を依頼しましょう。防じんマスクDS2以上(N95マスク以上)は数に限りがあるためこうした作業へ優先した配分が期待されます。
6.異常なにおいや異変を感じたら、直ちに作業を中断し、退避します。
7.復旧作業における呼吸用保護具の選択例を紹介します。

ばく露リスク保護具作業内容の例
低い不織布製マスク・損壊した家に物をとりに帰る、通常の掃除をする場合
中程度防じんマスク区分2以上(N95以上マスク)
アスベストが明らかな場合は区分3以上
・重機やチェーンソーなどの機械を用いた作業が行われている周辺で作業している場合など。(個人はこうした場所には立ち入らないようにすることが望ましいので、作業する時間を変えることなどが薦められます)
高い全面形取り替え式防じんマスク区分3またはPAPR・損壊建物における重機などを用いた作業(解体)を継続的に行う場合。なお、装着する作業者は使用法について指導を受ける。

PAPR: 電動ファン付き呼吸用保護具


フィットテスト研究会は、医師、看護師、工学の研究者によって組織された呼吸用防護具に関する研究会です。http://www.isl.or.jp/service/fittestinstructor.html


問い合わせ先:吉川徹(労働科学研究所研究部)、和田耕治(北里大学医学部衛生学公衆衛生学講師) 2011年3月19日の緊急セミナーにて提言されました。

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