1.避難生活で生じるストレス要因
1)日常的に行っている習慣が妨げられる
2)家族や友人、同僚と離れ離れになること
3)家や地域の心配
4)残してきたペットの心配
5)新しい環境への適応などがあげられます。
2.災害で受けた心の傷が癒えるまでには段階があります。
第1段階: 回復への第一歩
Step1 災害現場から避難できたら、まず必要に応じて医療を受けさせ、十分な飲食物を確保し、ゆっくり休養を取らせるようにしましょう。健康な身体を取り戻すことが、疲労困憊した心をいやす第一歩です。
Step2 家族でいつも一緒にしていたこと、例えば、みんなで散歩をしたり、寝る前に本を読んだりする日常の習慣を再開させると、たとえそこが避難所であっても家に帰ったような安らぎの感覚を呼び戻します。また、朝・昼・夜の感覚を取り戻す助けにもなります。
Step3 家族や友達の近況や家の様子を話してあげると、子供たちは安心します。時を見計らって、この災害や避難生活で感じる辛い気持ちを話し合うこともいいでしょう。そして普段と同じ方法で愛情を示してあげてください。
第2段階: 家庭生活の復興
Step1 家族が経験した心身の傷のすべてを棚卸しましょう。
Step2 災害や避難生活で感じた気持ちの理解を深めましょう。時間はかかりますが、友だちと感じたことを話し合ったり、家族やサポート団体の支援を受けて、感情を溶きほぐしていくことが、心の傷をいやし、家庭生活の復興に導きます。
※自分が経験したことを誰かに語ることは心の傷を克服する一つの方法です。他の人と経験談を共有していくうちに、はじめは混とんとしていた時系列が明らかになり、その経験に意味を持たせられるようになります。傷がいえるにつれ、その物語の詳細が鮮明になり教訓が盛り込まれ、痛みが和らいでいきます。時間はかかるでしょうが、この経験は自分の血となり肉となります。
3.これらのサインが見られたら、メンタルヘルスの専門家に相談しましょう
・辛すぎて災害の話ができない。
・時間が経過しても人との間に壁を作って閉じこもっている。
・感情を外に表せない。
・災害にまつわる夢や考え事が何度も辛い感情を呼び戻して消えない。
・自分たち振る舞いが以前とは劇的に変化した。
・自傷他害の恐れがある。
担当:末廣有希子
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